ヘッジ比率とベーシスリスク Hedge Ratio & Basis Risk
現物と先物はまったく同じようには動きません。どれだけヘッジすればよいのでしょう?最適な比率は、相関と値動きの大きさで決まります。
リスクに関する注意:FX、CFD、オプション、先物、暗号資産などはレバレッジや大きな値動きを伴うことが多く、損失が当初の投資額を上回る可能性があります。このレッスンは仕組みを学ぶためのもので、数値はすべてデモ用であり、投資助言ではありません。
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テキスト版の解説 · ヘッジ戦略 レッスン 2「ヘッジ比率とベーシスリスク」
現物と先物はまったく同じようには動きません。どれだけヘッジすればよいのでしょう?最適な比率は、相関と値動きの大きさで決まります。
2 つのレッグは完全には連動しない
現物と先物は、品目・受渡場所・期間が完全には一致しないことがよくあり、おおむね連動しても必ずすき間があります。相関係数が高いほどすき間は小さく、ヘッジ後に残るのがベーシスリスクです。
どれだけヘッジすれば最も安定する?
ヘッジ比率を 0 から上げていくと、ポートフォリオのボラティリティはいったん下がってから上がります。その最低点が最小分散ヘッジ比率で、相関係数 × 現物のボラティリティ ÷ 先物のボラティリティです。
どれだけヘッジできるかは相関で決まる
ヘッジ有効性 = 相関係数の 2 乗。相関係数が 0.8 なら、最適なヘッジでも分散は最大 64% しか消せず、ボラティリティは 40% しか下がりません(60% は残る)。相関の低い手段では、比率をどう調整してもあまり役に立ちません。
このレッスンのポイント
- 最小分散ヘッジ比率 = 相関係数 × 現物のボラティリティ ÷ 先物のボラティリティ。
- 最適なヘッジで消せる分散は最大でも相関係数² です(ヘッジ有効性)。相関 0.8 なら 64% しか消せません。
- ヘッジしきれずに残る部分をベーシスリスクといい、相関が低いほどベーシスリスクは大きくなります。
- ヘッジ比率は高ければよいわけではありません。最適な比率を超えると、ポートフォリオのリスクはかえって上がり始めます。
実際に試してみよう
次の練習は、このレッスンのインタラクティブ・シミュレーションで取り組めます:
- 「例題:0.8・3%・2%」をクリックし、次に「最適な比率に設定」をクリックしましょう。最適な比率はいくつですか? 右のグラフの曲線の最低点はどこですか?
- ヘッジ比率を最適値からさらに 2.0 までドラッグしましょう。ポートフォリオのボラティリティはどう変わりますか? このとき先物の売りは何をしていますか?
- 相関係数を 1.0 にドラッグしましょう。最低点はどこまで下がりましたか? 次に 0.5 にすると、リスクは最大でどれだけ減らせますか?
- 相関係数を 0.8 のまま、現物のボラティリティを 3% から 1.5% に変えましょう。最適な比率はいくつになりましたか?
クイズと解説
- 1. 現物のボラティリティ 3%、先物のボラティリティ 2%、相関係数 0.8 のとき、最小分散ヘッジ比率はおよそ?
- 答え:1.2。0.8 × 3% ÷ 2% = 1.2 です。
- 2. 相関係数が 0.95 から 0.6 に下がると、最適なヘッジで消せるリスクは?
- 答え:減る。相関が低いほど 2 つのレッグの動きがずれ、残るベーシスリスクが大きくなります。
- 3. 相関係数 0.8 で最適な比率でヘッジすると、ポートフォリオのボラティリティ(標準偏差)は最大でどれだけ下がりますか?
- 答え:40%。消せるのは分散の 0.8² = 64% で、36% の分散が残ります。ボラティリティ = √0.36 = 60% なので、40% 下がります。
このレッスンの用語
- ベーシスリスク (Basis Risk):現物とヘッジ手段の価格が完全には連動しないため、ヘッジした後に残るリスクです。
- 相関係数 (Correlation):2 つの価格がどれだけ一緒に上下するかを −1 から 1 で表したもので、1 に近いほど連動しています。
- ヘッジ有効性 (Hedge Effectiveness):最適なヘッジで消せるリスクの最大割合(分散ベース)で、相関係数の 2 乗です。相関係数 0.8 なら分散の最大 64% を消せます。
- ヘッジ比率 (Hedge Ratio):ヘッジのポジションと元のエクスポージャーの比率です。1 なら同量でヘッジ、0.5 なら半分だけヘッジします。
- 最小分散ヘッジ比率 (Minimum-Variance Hedge Ratio):ヘッジ後のポートフォリオの変動が最も小さくなる比率で、相関係数 × 現物の変動 ÷ 先物の変動です。
- オーバーヘッジ (Over-Hedging):ヘッジのポジションが実際のエクスポージャーを上回り、かえって逆方向の新しいリスクを生んでしまうことです。