モメンタムとリバーサル Momentum & Reversal
過去数か月によく上がった株は、その後も少し強いことが多いものです。ところが先月急騰したばかりの株は、翌月に上げ幅を吐き出すことがよくあります。振り返る期間の長さで、買うのがモメンタムかリバーサルかが決まります。
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テキスト版の解説 · クオンツ入門 レッスン 7「モメンタムとリバーサル」
過去数か月によく上がった株は、その後も少し強いことが多いものです。ところが先月急騰したばかりの株は、翌月に上げ幅を吐き出すことがよくあります。振り返る期間の長さで、買うのがモメンタムかリバーサルかが決まります。
強いものはずっと強い?
すべての銘柄を過去数か月の上昇率で並べ、上位 20% を買い、下位 20% を空売りする——これがモメンタム・ロングショート(WML)です。歴史的に平均すると儲かってきた、最も有名なモメンタム・ファクターです。
直近 1 か月は例外
先月だけを見ると、大きく上がった銘柄はよく反落します。これを短期リバーサル(短期の平均回帰の一種)といいます。だから定番のやり方は、過去 12 か月を見て直近 1 か月を除外することです。
モメンタムも崩れる
弱気相場の終わりに市場が急反発すると、最も大きく下がっていた負け組が最も激しく上がり、ロングショートのポートフォリオは 1〜2 か月で何年分もの利益を失うことがあります。これをモメンタム・クラッシュといいます。
このレッスンのポイント
- クロスセクションのモメンタム:過去 3〜12 か月の勝ち組を買い負け組を売る戦略は、多くの市場の過去データで平均してプラスの超過リターンを出しています。
- 短期リバーサル:直近 1 か月だけを見ると、上がりすぎた株は下がる傾向があるので、古典的なモメンタムのシグナルは「直近 1 か月を飛ばし」ます(12-1 モメンタム)。
- モメンタムは突然崩れることがあります。相場が急反転すると勝ち組と負け組が入れ替わり、ロングショートのポートフォリオがごく短期間で大きく損をすることがあります(モメンタム・クラッシュ)。
- シミュレーターの市場はパラメーターで作った説明用のモデルで、実際の効果は時代や市場によって変わります。
実際に試してみよう
次の練習は、このレッスンのインタラクティブ・シミュレーションで取り組めます:
- 既定(計算期間 12 か月、除外なし):月平均ロングショート・リターンはいくらですか?勝ち月の割合は?
- 計算期間を 1 か月にしましょう:ロングショートのリターンはいくらになりましたか?このときは勝ち組と負け組のどちらを買うほうがよいですか?
- 「直近 1 か月を除外」をオンにしましょう:計算期間 12 か月の月平均リターンはいくらになりますか?棒の色はどう変わりますか?
- 「除外」をオフにして、「短期の行き過ぎ」を 0 にしましょう:計算期間 1 か月の結果はまだマイナスですか?
クイズと解説
- 1. 古典的な「12-1 モメンタム」とは何を指しますか?
- 答え:過去 12 か月の上昇率を見るが、直近 1 か月は飛ばす。直近 1 か月を飛ばすのは、短期リバーサルの影響を避けるためです。
- 2. 短期的な行き過ぎが起きる市場で、先月の上昇率だけで最も強い株を買うと、翌月はどうなりやすいですか?
- 答え:短期の上げ幅は吐き出されやすいので、平均では負ける。先月の「サプライズ」は一部が吐き出されます。これが短期リバーサルです。
- 3. モメンタムのロングショート・ポートフォリオで、勝ち組グループは翌月 +2.1%、負け組グループは翌月 +0.6% でした。この月のロングショートのリターンは?
- 答え:+1.5%。勝ち組の買いで 2.1% もうかり、負け組の空売りで 0.6% 損するので、合計 2.1% − 0.6% = +1.5% です。
このレッスンの用語
- 平均回帰 (Mean Reversion):価格やスプレッドがふだんの水準から離れると、平均に戻りやすいという性質です。
- モメンタム・クラッシュ (Momentum Crash):相場が急反転したとき、それまでの負け組が急騰して勝ち組が出遅れ、モメンタムのロングショートがごく短期間に大きな損失を出すことです。
- モメンタム・ファクター (Momentum):ある期間よく上がった株が、短期的にはその後も勝ち続けやすいという現象です。
- 短期リバーサル (Short-term Reversal):過去 1 か月ほどで大きく上がった株は翌月に平均して下がりやすく、大きく下がった株は反発しやすいという現象で、行き過ぎた反応や流動性ショックが原因とされます。
- モメンタム・ロングショート(WML) (Winners Minus Losers):過去一定期間の上昇率で株を並べ、最も上がったグループを買い、最も上がらなかったグループを空売りして、2 つのグループのリターン差を稼ぐ方法です。