移動平均線の戦略をバックテストする Backtesting
ルールを過去のデータで検証します。リターン、勝率、最大ドローダウン、どれも欠かせません。
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テキスト版の解説 · 指標の実践とバックテスト レッスン 3「移動平均線の戦略をバックテストする」
ルールを過去のデータで検証します。リターン、勝率、最大ドローダウン、どれも欠かせません。
ルールを過去のデータで検証する
バックテストは、過去のデータを使って「当時ルールどおりに厳格にトレードしていたらどうなったか」をシミュレーションするものです。成績表ではリターンだけでなく、最大ドローダウン、勝率、取引回数も見て、「バイ・アンド・ホールド」と比べましょう。
当時まだ知らなかった情報を使ってはいけない
終値から計算したシグナルは、次の足の始値でしか約定できません。当日の終値のシグナルを当日の始値で約定させるのが先読みバイアスで、バックテストがとんでもなく良く見えてしまいます。
取引コストを忘れずに
売買のたびに手数料がかかり、スリッページも発生します。取引が多いほどコストが多く食いつぶします。手数料前のリターンが良い戦略でも、コストを引くと儲からなくなることがあります。
このレッスンのポイント
- バックテスト = 過去のデータを使って、ルールどおりに厳密に取引した結果をシミュレーションすることです。
- リターンと一緒に、最大ドローダウンと取引回数も必ず確認し、「買い持ち」と比べましょう。
- 手数料とスリッページを計算に入れましょう。シグナルを終値で計算したら、約定できるのは次の足の始値です。「未来のデータ」を使わないようにします。
- バックテストの結果がよくても、将来もうかるとは限りません。悪いアイデアをふるい落とす最初の関門にすぎません。
実際に試してみよう
次の練習は、このレッスンのインタラクティブ・シミュレーションで取り組めます:
- 「トレンド相場」と 5 / 20 のまま「バックテストを実行」をクリックしましょう。戦略のリターンはバイ・アンド・ホールドを上回りましたか? 最大ドローダウンが小さいのはどちらですか?
- 下の例題カードを見ましょう。A はリターン 30% でドローダウン 50%、B はリターン 20% でドローダウン 10% です。「リターン ÷ ドローダウン」で比べると、どちらが優れていますか?
- 「先読みバイアス」をオンにしましょう。ズルをした版はどれだけ多く儲かりましたか? 取引にマウスを乗せて、どの足で終値を「のぞき見た」のか確認しましょう。
- 「レンジ相場」に切り替えてもう一度バックテストし、手数料を 0.3% に上げましょう。行ったり来たりの取引コストは、リターンをどのように食いつぶしますか?
クイズと解説
- 1. 戦略 A はリターン 30%、最大ドローダウン 50%。戦略 B はリターン 20%、最大ドローダウン 10%。リスクを考慮すると、ふつうどちらがよいですか?
- 答え:B。B のほうが、ドローダウン 1 単位あたりに得られるリターンがずっと大きいからです。
- 2. バックテストで、その日の終値でシグナルを計算したのに、その日の始値で約定させました。どんな間違いをしていますか?
- 答え:未来のデータを使っている。取引開始の時点では、まだ終値はわからないからです。
- 3. 片道の手数料が 0.1% で、戦略は 1 年に 200 回の取引(毎回 1 回の買いと 1 回の売り)をします。手数料を単純に足すと、リターンのおよそどれだけを食いつぶしますか?
- 答え:約 40%。200 回 × 片道 2 回 × 0.1% ≈ 40% です。バックテストでコストを無視すると、頻繁に取引する戦略は大きく過大評価されます。
このレッスンの用語
- バックテスト (Backtest):過去のデータでルールどおりに売買した場合をシミュレーションし、戦略の成績を評価することです。
- 売買手数料 (Commission):売買のたびに証券会社に払う費用で、そのまま利益を減らします。
- デッドクロス (Death Cross):短期の移動平均線(または指標の速い線)が長期線(遅い線)を上から下に抜けることです。
- 資産曲線 (Equity Curve):口座の資金が時間とともにどう変化したかを表す曲線です。
- ゴールデンクロス (Golden Cross):短期の移動平均線(または指標の速い線)が長期線(遅い線)を下から上に抜けることです。
- 先読みバイアス (Look-Ahead Bias):バックテストで、その時点ではまだ知りえないデータをうっかり使ってしまうことで、結果が実際より良く見えます。
- 最大ドローダウン (Max Drawdown):資産が過去の最高値からその後の最安値までに下がった最大の下落率です。
- プロフィットファクター (Profit Factor):利益が出た取引の合計 ÷ 損失が出た取引の合計です。
- スリッページ (Slippage):想定した約定価格と実際の平均約定価格の差です。大きな成行注文が板を何段も食うときに起こります。
- 損切り (Stop Loss):価格が不利な方向へあらかじめ決めた水準まで動いたら自動で決済し、最大損失を抑える注文です。
- 勝率 (Win Rate):全取引のうち利益が出た取引の割合です。